今回は長野県の病院に入院中の患者様を台湾で活動中の医療チームと合同で搬送を行いました。
患者様は台湾国籍の方で、人工呼吸器付きで寝たきりですが意思疎通は可能な方で筆談により会話ができる状態でした。
台湾医療チーム及び救急救命チームとの事前打ち合わせ
当日の出発が朝の3時のため、台湾医療チームと弊社のスタッフは前日に長野県入りしました。前日に、台湾医療チーム及び弊社スタッフで救急救命室に向かい患者様と顔合わせを行い打ち合わせを行いました。打ち合わせには、翻訳アプリを使用しながら質疑応答を実施しました。内容としては、院内での経過、人工呼吸器の設定、搬送時の急変リスク及び急変時の対応についてしっかりと打ち合わせを行いました。
台湾医療チーム・弊社医療スタッフのドクターヘリ見学
事前打ち合わせを終えて、台湾医療チームから依頼のあったドクターヘリの見学をしました。
患者様の入院している病院のヘリポートが6階にあり、職員とともに向かいました。そこで、職員の方からドクターヘリについての説明や台湾医療チームからの質問に答えていました。機内の写真は撮る事できませんでしたが、外観は写真撮影大丈夫とのことでしたので、みなさんと写真を撮りました。
搬送当日:長野県〜成田国際空港までは弊社の車両にて移動
搬送当日の朝は、成田空港まで4時間ほどかかるため早朝の出発となりました。
病院に向かう前に台湾医療チームを宿泊ホテルまでお迎えに行き全員で病院まで向かいました。
救急入り口から病院に入り、救急救命室へ向かいました。入室し人工呼吸器接続変更し、スクープストレッチャーの上にバキュームスプリントと呼ばれる搬送資機材を設置しそこに患者様を移動させました。
その後、車内収容し成田空港に向けて出発しました。車内では台湾医療チームの看護師が適宜バイタル測定を実施して、人工呼吸器の設定を確認して適宜休憩も行いながら向かいました。
成田空港到着〜離陸まで
成田空港に到着後は、制限区域侵入組と一般搭乗組に分かれて移動しました。
一般搭乗組はチェックインを空港職員とともに行いました。チェックインを済ませた後は、時間まで航空会社のラウンジにて待機となりました。時間になり、航空会社職員とともに優先搭乗を行い機内にて患者様が来るのを待ちます。
制限区域侵入組は、空港の先導車とともに航空機の横まで車両で移動しました。
航空機の横まで移動した後は、リフト車にストレッチャーごと乗せて機内まで移動します。機内に入る際は、弊社スタッフでスクープストレッチャーを持ち上げ機内に設置されているベッドまで移動します。
機内のベッドに移動した後は、離陸の時間までに患者様の固定や医療機器の設定確認等を行いました。全ての確認が終了しいざ台湾に向けて出発です。
成田国際空港〜台湾桃園国際空港
機内では、適宜医療チームの看護師がバイタル測定や人工呼吸器の設定等を確認しながら台湾に到着するのを待ちました。また、入国に向けて機内にて入国審査カードを記入しました。
台湾桃園国際空港〜台湾の病院まで
台湾の空港に到着し、まず初めに一般のお客様が降りられるまで機内にて待機します。その後日本と同様にリフト車と病院の救急車が迎えに来るのでそれまでに降りる準備をしました。空港スタッフと病院のスタッフにて患者様をリフト車内にあるストレッチャーまで移動しました。移動後は、お迎えに来た病院の救急車にのせて出発です。
日本と違い警察車両が先導及び後方からの追従をして制限区域から出ます。そこで、パスポートを提出し問題なければ入国となります。スタッフ全員問題ないため再度病院に向けて出発します。車内では患者様も台湾に着いたことに安堵したのか、とても落ち着いていて時折笑顔を見せることもありました。病院に到着後は、台湾医療チームから院内の主治医と看護師に申し送りを行い今回の搬送は終了しました。
今回の海外搬送を終えて
弊社スタッフのみで国外への搬送は何度かあり、台湾医療チームとの合同での搬送は以前にもありましたが、私自身国外まで同行したのは初めてでした。患者様やそのご家族様は中国語のみなのでコミュニケーションととるのが大変でした。私自身英語も話すことができないので、今回の搬送で語学能力も大事だと痛感しました。今後、台湾医療チームと合同の搬送がまたあることを楽しみにしています。