墨東病院〜ウズベキスタン タシュケント空港 飛行機搬送

墨東病院からのご依頼で、ウズベキスタンに帰国したいという患者様を飛行機で搬送いたしました。

患者様はウズベキスタン人の20代の男性、日本に留学中に脳出血を起こし、入院されていた方でした。

母国で待つご家族の強いご希望もあり、当日までに病院やご家族、各関係機関と連携をとりながら、搬送が実現いたしました。

今回は海外への長時間に渡る搬送のため、弊社救命士、看護師が1名ずつ付き添っての搬送となりました。

搬送当日、病院にて日本在住のご家族と合流、共に病室までお迎えに行きます。

患者様とは事前に顔合わせをしていたため、病棟の看護師からは最新の体調や最終確認を兼ねた申し送りを受けました。

日本に留学していた経験のある患者様、反応はありませんでしたが簡単な日本語なら分かっていそうとのこと。ご挨拶をし、いよいよ成田空港へ向け出発です。

早朝でしたが、何人もの看護師さんがお見送りをしてくださいました。海外搬送 転院 患者搬送 パス救急サービス

成田国際空港到着

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空港に到着すると、空港職員の方が出迎えてくださいました。この日はウズベキスタンへの直行便の到着が遅れていた影響で、出発が予定より2時間ほど押すことに。しかし、そんなトラブルにより思いがけず日本のご家族と過ごす時間も増えました。

待機時間は空港内の救護室へ移動し、ご家族と面会していただいたりとゆったりとした時間を過ごしました。この時間に、バイタルサイン測定やオムツ内の確認、点滴の調節、吸引などを実施し搭乗に備えます。

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搭乗準備の時間が来ると、制限区域内に移動します。制限区域内にはご家族は入れないので、ここでお別れ。日本にいたとはいえ久しぶりの再会に、ご家族も嬉しそうでした。

制限区域に移動すると、ウズベキスタン航空の方が迎えてくださいました。

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基本的に日本語も英語も使わないウズベキスタンの方々とのコミュニケーションには不安がありましたが、ジェスチャーを使ったり、英語を話せるスタッフの方のご協力もあり、無事に搭乗できました。

 

飛行機内には座席を倒して広々としたベッドの用意が。弊社スタッフでスクープストレッチャーに載せたまま搭乗しました。

成田国際空港を出発

 

搭乗後は姿勢を整え、離陸に備えて状態観察を行います。

患者様の状態は落ち着いており、問題なく離陸。いよいよ日本を出発しました。

飛行機内にて

飛行機出発後も適宜隣で見守り・状態観察を行います。ウズベキスタン航空の方々もとても親切で、適宜声をかけてくださいました。

フライト時間は約9時間。狭い機内ではできることも限られていますが、適宜肩や腰、足を動かすなどし、圧抜きをして長いフライト時間が少しでも苦痛でなくなるよう工夫しました。麻痺があり自身で足を動かせない方だったので、深部静脈血栓症の発生にも注意しました。

途中で発熱があり、機内にあるものを利用しクーリングを実施しました。客室乗務員の方も私たちの拙い英語とジェスチャーで伝えたいことを汲み取ってくださり、氷の用意や「熱はどうですか?」と英語で声をかけてくださるなど、気にかけてくださいました。

1時間ごとのバイタルサイン測定に加え、定期的な状態観察や気管吸引・点滴交換等の医療処置、クーリングの交換等、スタッフ2名で協力して質の高いケアの提供を心がけました。飛行中は気圧の変化により酸素飽和度も変動しやすいです。長時間空の上に滞在しているという状況を鑑み、呼吸状態の変化には特に敏感に注意し観察しました。

長いように思えたフライト時間も、患者様との関わりであっという間に感じられ、いよいよウズベキスタンに到着します。

ウズベキスタン タシュケント空港到着

9時間のフライトの末、患者様の母国であるウズベキスタンに到着いたしました。

機内で発熱はあったものの、解熱した状態で着陸。大きなトラブルなく到着しました。海外搬送 パス救急サービス ウズベキスタン航空

到着後は空港で待機していた現地のアンビュランスが迎えに来ており、乗務員と何やら話し合っています。日本出発時と違い、ここからは完全に日本語でのコミュニケーションは取れません。しかし、患者様をどのように運び出すか、どうしたら安全に運べるかを議論していることは雰囲気や動きから伝わってきました。

私たちも翻訳機やジェスチャーを使い、なんとかコミュニケーションを試みました。

無事にアンビュランスに乗り込み、制限区域を出ると、現地のご家族が何名も待っていらっしゃいました。海外搬送 パス救急サービス アンビュランス タシュケント空港

数年ぶりに再開できたことに涙を流していたり、ウズベク語で何度も「ありがとう」とおっしゃってくださったり…。

そんな姿を見て、私たちも達成感と嬉しさで心が温かくなりました。心なしか、患者様の表情も和らいだ気がしました。

今回の搬送では、言語の異なる方々とのコミュニケーションの大変さを実感したと共に、現地の方々の温かさ、言葉は分からなくても、表情や仕草で気持ちは伝わるんだということを強く感じました。

搬送が無事に終了したのは、関係者の皆様のご協力あってのことだと心から感じております。

今回の搬送に携わったスタッフは、今までにない貴重な経験をさせていただきました。今回の経験を活かし、今後も患者様やご家族様のご期待に添えられるよう、社会に貢献していきたいと思います。

最後に

今回の搬送終了後、現地のご家族よりたいへん手厚いおもてなしを受けました。

言語の異なる地での滞在は不安が大きかったですが、皆様のサポートにより不便なく過ごすことができました。

患者様が母国に帰ることができたこと、そして、素敵なご縁で関わることのできた全ての方々との出会いに感謝し、今後の糧としていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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