ご家族よりご依頼があり、埼玉県の病院から大分空港までの飛行機搬送を担当いたしました。
患者様は心不全にて酸素療法を行っている90代の女性の方でした。
当初は酸素の使用量も多く、そのような状態でどうすれば安全に搬送ができるかを検討していたところでしたが、日に日に酸素の使用量が減っており、それに伴い体調も良さそうとの情報をいただき、本搬送が実現しました。
当日患者様にお会いすると、元々聞いていた状態よりもお元気そうで、私の目を見てしっかりと挨拶をしてくださいました。酸素の使用もなく、バイタルサインも安定しているとのこと。
ご家族様も安心していらっしゃいました。
齋藤記念病院から羽田空港へ
この日の出発は、スケジュールの関係で早朝となりました。
早朝からのお迎えでしたが、夜勤の看護師さんにご協力いただき、時間通りに出発することができました。齋藤記念病院の皆様、朝早くからご対応ありがとうございました!
「これから飛行機に乗りますよ」とお話をすると、楽しみですと仰っており、道中も穏やかな表情で過ごされていた印象です。
途中、ご家族が用意してくださった飲み物を飲みながら、終始和やかな雰囲気で空港に向かいました。
羽田空港到着
羽田空港に到着すると、スタッフが受付を済ませ、空港の車椅子に乗り換えます。車椅子に座ってからも状態はお変わりなく、顔色も良く安心いたしました。
乗り換えてからは時間に余裕があったため、早めに搭乗手続きを済ませてゆっくりすることとしました。
患者様はご家族様が用意された朝ごはんを食べられ、久しぶりのご家族とのお話を楽しまれていました。「ここ座ってください」「あなたが先に食べて」と、私のことまで気遣ってくださる、本当に心優しい患者様でした、、!
羽田空港出発
この日は飛行機の関係で出発が遅れてしまいましたが、そんな時間も忘れさせられるほど、楽しくお話をして過ごしました。
搭乗時間となると職員の方が迎えに来てくれ、車椅子のまま搭乗しました。
今回は普通座席に座れる患者様だったため、車椅子から座席への移動を介助させていただきました。無事にトラブルなく搭乗ができ、いよいよ羽田空港を出発です。
元々酸素を使用していた患者様ですので、酸素飽和度の下がる飛行機内では特に呼吸状態に注意して観察しました。あらかじめ航空会社に依頼をしておいた酸素ボンベの作動状況も、離陸前に確認してあったため、いつでも酸素を使用できる状況下での飛行となりました。
およそ2時間弱のフライトの末、患者様のご容態も安定した状態で、無事大分空港に到着しました。
大分空港到着
大分空港に着陸すると、離陸時同様空港職員の方が車椅子の操作等ご協力くださいました。
空港の外では、大分で待たれていたご家族様の姿が。今回はご家族様の車で転院先の病院まで行かれるとのことで、私の役目は空港で終了となりました。
患者様は最後に車から手を振ってくださり、車が見えなくなるまでお見送りをいたしました。
最後に
今回は飛行機内にて医療行為を必要とする可能性がある方の搬送でした。車両などとは異なり、飛行機は機内に持ち込める医療機器に制限があります。
搬送までの準備の段階から当日も含め、両空港や航空会社の皆様にご尽力いただき、発着病院の方、ご家族とも連携を取り合ったことで実現しました。
大分空港で再会した患者様とご家族の、素敵な表情が忘れられません。
この度は一大イベントをお手伝いさせていただき、ありがとうございました!
大分県でまた新しい思い出を作れますよう、お祈りしています。