今回は福岡から沖縄までのご依頼をいただきました。
事例
患者様
年齢: 50代
性別:女性
疾患:左乳がん
症状:疼痛、苦痛、不安、咳嗽
ADL:全介助
医療処置:酸素2L、吸引、膀胱留置カテーテル
患者様の状態が心配な状況にあることもあり、ご家族様のご希望で看護師・救命士の2名体制で対応させていただきました。
出発
この日は福岡から沖縄への早朝のフライトでした。
早い時間からご家族様・病院側に対応していただきました。
受付の方に案内され病棟内へ移動します。
病棟の看護師さんより申し送りいただき、患者様の元へ向かいました。
そこで初めてご家族様とお会いし皆様にご挨拶を行い、介護タクシーさんのストレッチャーへみんなで移乗いたしました。
その後病院の皆様に見送られながら空港へと出発しました。
車内の中で改めてご挨拶し、少しお話ししました。
コミュニケーションは問題なくでき、「帰れると思ったら楽しみで早起きしちゃいました」と
お話しされ地元へ帰ることをとても楽しみにされていました。
空港へ
出発の病院から空港まではあっという間ですぐ着きました。
始発のフライトということもあり空港の窓口が空いてなかったため、
少し車内で待機し手続きへ向かいました。
PASスタッフ1名は飛行機の手続き関係、もう1人はバイタルサイン測定等の医療行為をするために空港組と車両組で分かれました。
私は車両で患者様のお近くに。バイタルサイン測定をすると病院で測った時とあまり変化はなく
安定しており、患者様からも痛みや苦痛といった訴えはありませんでした。
今回は医療機器の持ち込みがあったため事前手続きのため空港組のPASスタッフ1名がJALのカウンターへ向かい、確認していただきチケット発券しました。
今回も制限区域と呼ばれる場所へ入り、空港職員の案内で飛行機の横に車をつけてストレッチャーごとリフト車へ入り、空港職員がスクープストレッチャーを設置しそのまま持ち上げて機内へ入れるように準備しました。
制限区域へ入る際に腕章のようなものを着けました。こちらは初めてで驚きました。
空港によって様々なんだなあと思いました。
機内へ
スクープストレッチャーでお運びした後、飛行機内の酸素を借りるため持参した酸素から
機内の酸素へと切り替えを行い、操作が間違っていないことを確かめた後、
患者様にも酸素がきちんと流れているか確認しました。その後姿勢を整えたりと乗り込んでからは
バタバタでした。ご家族・患者様には事前に機内へ乗り込むときは
乗る前にバタバタになるので・・・と説明していましたが今回は始発のフライトということもあり
みんなでドタバタでした(^^;;
ひと段落してからバイタルをまた測定しました。
この時も特に症状はないと仰っていたので安心しました。
患者様の横にはご家族が座り、通路挟んだ横に救命士・看護師が座りました。
ストレッチャー設置の際には移動中はゆっくり休めるようカーテンがあるため、
フライト中は隙間から手振りするとわかるくらいに隙間をあけカーテンを閉めました。
万が一サインに気づけなかった際にはご家族を通して呼ぶよう依頼しました。
飛行中もシートベルト着用サイン以外は30分ごとにこまめに観察し常に異常がないかを観察しました。
今回飛行中は特に体調に変化はありませんでした。
そんなことをしているとあっという間に次の空港へ着陸しました。
地元へ到着すると、患者様は安心したのか感動で涙を流されておりました。
ご家族様も私共もここまで来れて本当に良かったと思いました。
目的地の病院へ
今回は民間救急フィールさんにご協力をいただき病院へ向かいました。
降りるときはまたスクープストレッチャーを用いて降り、制限区域内から出ました。
道は順調に進みあっという間に目的地の病院へと辿り着きました。
到着すると目的地の病院の看護師さんがあたたかく迎えてくださりホッとしました。
病院のベッドへみんなで移乗し、引き継ぎを済ませ搬送終了となりました。
余談ですが民間救急フィールさんの車両はザ・沖縄!って感じでなんか良いなあと思いました。
最後に
今回は道中症状が何も出ることなく移動で来ました。
また、地元に帰って来れた安心感で感動している姿を見たり、
患者様はじめご家族様にも大変喜んでいただけてこの搬送に関われて本当に嬉しかったです。
患者様がご家族様のお近くで静養できますことを祈っております。