今回は神奈川県にお住まいのご家族様のご希望で、大分県の病院からの転院搬送を担当させていただきました。
患者様は脳梗塞による失語、嚥下障害がある方で、医療行為としては適宜吸引が必要な方でした。
今回の搬送までにリハビリを重ね、少しの介助で車椅子に座れるようになったとのことで、今回は飛行機のクラスJ席を使用しての搬送となりました。
出発地:大分リハビリテーション病院
今回の搬送は出発地と到着地がともに空港から離れていることもあり、両病院の担当者の方々との打ち合わせの結果、早朝からの出発となりました。
出発地である大分リハビリテーション病院に到着すると、現地の介護タクシー業者様と合流。
まだ日が昇る前の暗い時間にお迎えに行きました。
患者様は言葉を発することはできませんが、こちらの話すことに耳を傾け、頷いたりジェスチャーを使用し応えてくださいました。
お迎えに使用したリクライニング車椅子にも軽介助で移乗。想定していたよりお元気そうな姿に安心しました。
病院ロビーでは、お見送りのために親戚の方々が待機していらっしゃいました。久しぶりに会えて嬉しそうな患者様やご家族様を見て、こちらもとても嬉しかったです。
事前に面会をしたいとのご希望を伺っていたため、しっかりとお話をし写真を撮る時間も確保できました。
転院調整をご担当くださった相談員さんにも見送られ、大分空港へ出発です。
大分空港へ
病院を出発した頃はまだ外も薄暗く、冬の日の短さを感じました。
大分空港へ向かう道中では、久しぶりに車に乗った影響もあり痰絡みが多く見られました。
患者様はリハビリのおかげで少しずつご自身で喀出することができていたため、患者様のできることを尊重し、出しきれない痰のみを吸引する形で対応しました。
道路の混雑もなく、大分空港には予定より早く到着。
空港でもお見送りの皆様が待機しており、搭乗の手続きから保安検査に向かうまでの時間、ゆっくりとお話しいただく時間を設けることができました。
搭乗時刻が迫ってくると、お見送りの皆様と名残惜しそうにお別れし、保安検査場に向かいました。
検査場を通過した後もゲートの向こう側から親戚の方々が手を振っており、姿が見えなくなるギリギリまで患者様も手を振っていらっしゃいました。
保安検査通過後は、搭乗まで搭乗ゲート付近で待機しました。
この間に多目的トイレにてお手洗いを済ませ、搭乗に備えました。
空港ではリクライニングがかかる車椅子をお借りし、こちらの車椅子で搭乗しました。
機内では弊社スタッフの介助で座席に着席。今回の患者様はご自身でもわずかに姿勢を整えることができたため、協力いただきながら安全に過ごせるようお手伝いしました。
エコノミークラスよりもゆったりとした座席で過ごしていただいたため、気分転換になったのか機内の雑誌や外の景色を見ながら過ごされていました。
羽田空港到着〜神奈川県へ
約1時間半のフライトの末、予定通り羽田空港に到着しました。
羽田空港では弊社ドライバーが待機しており、事前に報告を受けていた場所まで空港職員の方に案内していただきました。
待ち合わせ場所で無事に合流すると、空港の車椅子から弊社のリクライニング車椅子へ移乗。こちらもトラブルなく行えました。
車両に乗り込み、最終目的地へ向け出発しました。
ここまでバイタルサインや全身状態も安定していた患者様。窓から外を見て過ごされ、神奈川県に入ると外を指差して何かを伝えようとしている様子が見られました。
ご家族様によると、ちょうど走行していたあたりの近くに昔患者様が患者様が住まれていたとの事。
そのことを伝えようとしてくださったのかな?と思い聞いてみると、頷いてくださいました。
車で通り過ぎるだけとなりましたが、久しぶりに懐かしい景色を見て過ごすことができ良かったなと思います^^
到着地:クローバーホスピタル
羽田空港からの道中も渋滞に巻き込まれることなく、予定の1時間ほど前に無事目的地に到着しました。
病院ではスタッフの方々が出迎えてくださり、引き継ぎをして搬送は終了となりました。
患者様に挨拶をすると握手をしてくださり、言葉ではありませんが気持ちが伝わり心が温かくなりました。
早朝からの長時間移動でしたが、何事もなく搬送することができ安心しました。
最後に
今回の搬送にあたり、ご家族様や出発・到着病院のご担当者様とも綿密に打ち合わせを行ってきました。
ご家族様をはじめ関係者の皆様には、お忙しい中スムーズなやりとりにご協力いただき感謝しております。
ご家族様も色々とご不安な点がおありだったと思いますが、その都度ご相談くださったおかげで結果的にご要望通り進めることができたこと、大変嬉しく思います。
この度は弊社にご依頼いただきありがとうございました。