今回、ご本人様とご家族様の希望で東京都内からインドネシアのジャカルタへの搬送をご依頼いただきました。
元々ジャカルタに長く住まれていたことがある患者様、現地で活動していたジャズバンドのコンサートに参加したいとのことで、弊社を見つけご連絡くださいました。
事例紹介
60代男性
疾患名:ALS
医療行為:人工呼吸器管理、吸引、経管栄養
ご容態:ALSを発症され、気管切開後、人工呼吸器管理にて療養中。搬送時点で自力で動かせるのは目と口のみ。コミュニケーションは視線やまばたき、瞼と口のコールで意思表出を行なっている状態。
現在は24時間、訪問看護やヘルパーのサポートを受け生活されている。
搬送前日まで
搬送が決定すると、搬送日までに時間が限られていたためすぐに各手続きに入りました。
ご家族とも連携をとり、ご本人様が入居されている施設には2回ほど訪問しました。
訪問時はご本人様との顔合わせを行い、呼吸器の設定から普段のコミュニケーション方法、搬送当日のご希望などを直接伺ってきました。
その他当日持ち込む呼吸器や吸引機等の医療機器についても情報をいただき、事前に航空会社に機内へ持ち込みができるかどうかの問い合わせを行いました。
元々寝たきりの方のため機内ではストレッチャー設置で搬送をする予定でしたが、海外でのストレッチャー対応が難しいとのことで航空会社と話し合いを重ね、負担の少ないビジネスクラスでの移動となりました。
弊社では予備の呼吸器や吸引機の準備、滞在中のケアスケジュールについて綿密に打ち合わせを重ねました。
出発当日
出発日の朝は、途中の渋滞による到着遅れを考慮し早朝からのスタートとなりました。
ご本人様と対面すると、顔色も良くお元気そうで安心しました。
直前までケアにあたっていた夜勤のヘルパーさんより引き継ぎを受け、医療機器の最終チェックを実施。
ご家族も一緒に弊社の車両に乗り込み、羽田空港へ向け出発いたしました。
羽田空港 国際線ターミナルにて
空港までの道中は特にトラブルなく、予定通り羽田空港に到着しました。
空港到着後は弊社スタッフとご家族でチェックイン等の必要な手続きへ。車内での待機時間も看護師が近くで必要なケアを行いました。
手続きが終了すると、ご自身のリクライニング車椅子のまま空港内へ向かいます。
このタイミングで、今回私たちと連携し共にケアに当たってくださる訪問看護師の方と合流しました。
今回の搬送は連日24時間体制での看護が必要とのことで、元々ご本人様のことを昔からご存じであった訪問看護師さんにご協力いただくこととなりました。
国際線ということもあり、保安検査や税関等少しバタバタとする場面もありましたが、空港職員の方々のご協力もあり搭乗準備が整いました。
元々はご自身のリクライニング車椅子を搭乗ギリギリまで使用する予定でしたが、航空会社の車椅子をお手配いただいておりそちらに移乗しての搭乗となりました。
飛行機の準備が整うと、順番的には最後の搭乗でご案内いただきました。
機内のスペースは限られていますが、安全でご本人様にとって負担が少しでも少ない移乗のため、空港の方々やご家族にもご協力いただき、無事にビジネスクラスの座席に移乗することができました。
移乗後は訪問看護師さんと協力し、ご本人様の様子や各医療機器のトラブルがないか早急に確認を行いました。
長時間のフライトとなるため、離陸前の確認作業は入念に行いました。
一通りの確認が完了し、機内での管理は今回日勤帯をご担当いただく訪問看護師さんにバトンタッチ。
弊社スタッフは夜勤に備え、行きのフライト中は仮眠をとらせていただきました。
スカルノ・ハッタ国際空港到着
日本との時差2時間、約8時間弱のフライトの末、無事にジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港に到着しました。
機内でも特に大きなトラブルはなかったとのこと。降機時には同じ便に乗っていたバンド仲間の方々が声をかけに来てくださり、ご本人様も一生懸命応える様子が見られました。
現地の空港職員の方々の案内で、各手続きを済ませます。この時もインドネシア後が堪能なお仲間の方にご協力いただき、スムーズに済ませることができました。
その後、現地在住の日本人通訳者の方とも合流し、現地アンビュランスに乗り込みました。
ご家族の皆さんも手配していた現地の車両に乗り込み、今回滞在するホテルへと向かいます。
今回のブログはここまでです。次回はジャカルタでの滞在中の様子をご紹介します!