患者様のご家族よりご依頼いただき、大阪府河内長野市から東京駅を経由して、神奈川県横浜市への搬送を担当させていただきました。
患者様は90歳代女性の方で、歩行器を使用すれば歩行が可能な方でした。
今回はご家族のご都合により、ご家族のお付き添いはなしでの搬送。寝たきりの患者様ではなく、少しお手伝いをすることでご自身で行えることの多い方だったため、看護師1名で担当いたしました。
搬送当日、患者様にお会いすると体調も良さそうで、目を見て笑顔でご挨拶してくださいました。お話をすることがお好きな方で、初対面の私にもいろいろなお話をしてくださいました。
新大阪駅までは現地の介護タクシー
新大阪駅までは、いつもお世話になっている現地の介護タクシーさんにご協力いただき向かいます。河内長野市からはおよそ車で1時間半ほど。少し時間が長いことを心配していましたが、社内では「車大好きなんです」「お話するの好きだから楽しい」などといった言葉も聞かれ、終始穏やかな雰囲気であっという間に到着しました。
新大阪駅に到着すると、駅の車椅子をお借りして乗り換えます。
新幹線乗車まで少し時間があったため、昼食を購入することに。患者様のお好きなお弁当を購入し、無事新幹線乗車の準備は完了です。
今回は座ることができる患者様であったため、普通指定座席でのご移動となります。新幹線がホームに到着すると、看護師の手引きにより自力歩行で座席まで移動することができました。
新大阪駅出発
新幹線内ではバイタルサイン測定を行い、引き続き容態に変化がないか観察しながら移動します。今回の患者様は飲水量の制限もあったため、上限を超えないようにしっかりと管理していきます。
また、お手洗いへの移動もお手伝いをさせていただきました。揺れる新幹線内での歩行は、特にご高齢の方にとってはハイリスクなこと。しかし、私たち医療者がお付き添いをすることで、その方に合わせた安全な移動をお手伝いすることができます。
この日も何度かお手洗いに行かれましたが、声かけや揺れのタイミングなども見ながらの移動により、転倒などなく済ませることができました。
道中は患者様と話が弾み、一緒に景色を見たり、勉強になるお話をお聞きしたり、、。
途中、「お弁当半分食べない?」と私のことを気にかけてくださる患者様の優しさにも触れ、温かい気持ちになりました。
患者様の楽しそうな表情を拝見できたことが何より嬉しかったです^^
新大阪駅からおよそ2時間半。東京駅で迎えに来ていた弊社ドライバーと合流し、リクライニング車椅子に乗り換えます。
患者様の顔色も良く、新幹線が旅行気分だったとお話してくださり安心いたしました。
いよいよご家族の待つ横浜へと向かいます。
横浜まではPAS車両にて移動
横浜の施設へ到着すると、娘様ご夫婦が待っていらっしゃいました。
ご家族のお顔を見た時の嬉しそうな表情が忘れられません。
患者様にご挨拶をすると、涙を流しながら「寂しいですね」「ありがとう」とお礼の言葉を伝えてくださいました。
最後に
今回の搬送は、多目的室を使わない方のお付き添いということもあり、少しでも旅行のような気分で楽しく移動ができたらと思いお手伝いをさせていただきました。
そんな目標もあった中で、お別れの時の患者様の表情と、嬉しいお言葉もいただき、達成感と、よかったという気持ちでいっぱいになりました。
搬送後の帰路、娘様よりお礼のメールをいただきました。その中に、『なんて素敵なお仕事に就かれているんだろうと尊敬しました。天使のようなお仕事ですね』といった一文がありました。このお言葉がとても嬉しく、今でも大変な時に見返しています。
この度はご縁をいただきありがとうございました!
たくさんのお話を聞かせてくださった優しく笑顔の素敵な患者様。これからも患者様らしく穏やかに過ごせますよう、お祈りいたします。