ご家族様よりご依頼をいただき、秋田県から東京駅利用にて神奈川県への搬送を担当させていただきました。
患者様は脳出血の後遺症により、右半身麻痺と失語がある方でした。
医療行為としては吸引と経管栄養を必要とする方で、現在吸引自体はほぼしていないとの事でしたが、念の為吸引器持参の上看護師がお付き添いしました。
出発地:平鹿総合病院
当日の朝、出発地である平鹿総合病院へお迎えに行きました。
秋田県の朝はとても寒く、この日の気温は2℃。雪かきをした跡もあり、さすがは東北、、!と感じながら病院へ向かいました。
病院に到着すると、あらかじめ打ち合わせをしていた場所で現地の介護タクシー様と合流。
大きい病院でしたので迷いそうになりましたが、病院職員の方が声をかけてくださり無事にお迎えに行くことができました。
リクライニング車椅子を病棟スタッフに預けて待つ間、ご家族様にご挨拶をします。
その間に移乗を済ませた患者様が出てこられ、改めてご挨拶させていただきました。
病棟の看護師さんより引き継ぎを受けると、吸引はほぼやらなくて良い状態にまで回復したとのこと。
患者様もこちらの声かけに笑顔で答えてくださいました。
大曲駅へ
リクライニング車椅子で車両に乗り込み、大曲駅へ向かいます。
道中、言葉を上手く発せない患者様が何を伝えようとしているのか、患者様のニーズを探りながら過ごしました。
脳出血後の方のため、意識レベルの変化や麻痺の程度にも注意しました。
大曲駅へ到着すると、駅員の方々が待っていてくださりスムーズにホームまでご案内いただきました。
今回利用した大曲駅ではエレベーターにストレッチャーが入らないため、事前にリクライニング車椅子でも大丈夫そうか病院のソーシャルワーカーさんに相談し、承諾を得ていました。
ホームへ降りると、予定より少し早く新幹線が到着。
他のお客様が乗車した後に、布担架を使用し多目的室に移乗しました。
体格の良い患者様でしたが、介護タクシーの方のご協力のおかげで、安全に移乗することができました。
新幹線乗車後は、長い新幹線移動を少しでも快適に過ごしていただけるよう工夫をし、環境を整えていきました。
長い移動ではありましたが、時折目を閉じて休まれたり、外の景色を見たりして過ごされていました。
景色が少しずつ関東に変わってくると、昔の話や縁のある地域のお話をしてくださり、「あと○分ですよ」「今東京に入りましたよ」などお声かけすると、笑顔も見られました。
東京駅に到着
道中吸引の必要もなく、意識レベルの低下も見られず安定した状態で東京駅に到着。
ホームでは弊社ドライバーがストレッチャーで待機しており、布担架を使用しストレッチャーに移乗しました。
秋田新幹線の多目的室は他の新幹線と比較すると少し狭くなっていますが、今までの利用経験も活かし安全に移乗が完了しました。
平日でも混雑している東京駅を抜け、車両に乗り込み目的地に向けて出発しました。
車内では目をしっかりと開け、久しぶりの東京の景色を見てらっしゃいました。
失語の影響で上手く言葉を発せない方ではありましたが、一日関わったことでこちらも少しずつ聞き取れるようになり、会話が成立した時の患者様の嬉しそうな表情にこちらもうれしくなりました。
到着地:イムス横浜東戸塚総合リハビリテーション病院
予定時間より早く、目的地であるイムス横浜東戸塚総合リハビリテーション病院に到着しました。
到着したことをお伝えすると、笑顔で頷く姿が見られました^^
外に出ると、秋田を出発した時はまだ寒い時間だったため、天気が良く暖かい気候に患者様も驚いていました。
病院ではスタッフの方が出迎えてくださり、指定された場所までお送りし、搬送終了となりました。
最後に
今回の搬送の翌日、ご家族様より改めてお礼のお電話をいただきました。
お礼のためだけに搬送をしているということではありませんが、こうしてご連絡をいただけると、改めて無事に到着することができて良かったという達成感でいっぱいになりました。
お忙しい中迅速にご対応くださったご家族様をはじめ、丁寧に確実なご対応をしてくださった出発病院のご担当者様、予定より早めの到着でも快く受け入れてくださった到着病院の皆様、たくさんの方のご協力があり無事に遂行できたと思っております。
この度はご依頼いただきありがとうございました。