今回は札幌駅まで新幹線と特急でお連れした例を書いていきます
事例
患者様
年齢: 50代
性別:女性
疾患:右乳がん
症状:疼痛、嘔気
ADL:掴まれば自力で車椅子に移乗できる。
今回ご自身の車椅子があったためそちらを道中はそちらを使用。
医療処置:疼痛薬の適宜使用
出発
出発はホテルからでした。
患者様はすでに退院されており、ホテルに宿泊されていました。
今回、札幌までの長い道中何かあったら不安とのことで
念の為看護師をお願いしたいとのことでお付き添いさせていただきました。
そのため朝はホテルのロビーまでお迎えに行きました。
患者様は干渉されるのが苦手とのことで朝にこの道中で何か症状出たら言ってくださいねと伝え、患者様の負担にならないよう努めました。
車椅子はご家族様に押してもらった方が安心するとのことでご家族様に押していただきました。
大宮〜新函館北斗駅
大宮から新函館北斗駅へ新幹線で向かいました。
今回は患者様の容態から多目的室ではなく通常座席を選択しました。
通常座席はご家族様がご予約してくださいました。
乗り込む際は車椅子を使用したため駅員さんにスロープを準備していただきました。
今回初めて知ったのが、大宮からだと北海道まで3時間ちょっとで行けるということ。
北海道はすごく遠いイメージだったのでかなり驚きました。
患者様とご家族様がお隣の座席で、私は通路を挟んだ席でした。
そこから異変がないか様子を観察し、また大きな医療行為はなかったですが、
1時間ごとにバイタルサイン測定をし患者様に気分は大丈夫か聞いたりと体調管理に努めました。
杖をつけば自分で歩けたため、トイレへ行く際はご自身で行かれました。
ご家族様が患者様のことを考えてトイレに一番近い座席を取ってくださっていました。
患者様は宿泊してる時何回か嘔吐してしまった、だから今日も何回か吐くと思うと仰っていました。
新幹線では気持ち悪くなる場面がありながらもなんとか今持ってますと答え、嘔吐せず新函館北斗駅まで行きました。
時折ご家族様とお話しされたり、ご飯を食べたりしていたのでそれが安心に繋がり頑張れたのかなと思いました。
新函館北斗駅〜札幌駅
新函館北斗駅へ到着した後は、札幌まで向かうために特急へ乗り換えました。
乗り換えなどの移動の際は車椅子を使用したため、再度スロープを準備していただきました。
特急では私は患者様ご家族より斜め後ろの席でした。
特急は新幹線よりも揺れが酷かったため、本当に患者様は大丈夫だろうかと
道中ハラハラしたのですが、北海道に入って安心しました。気持ち悪いですがなんとか持ってますと仰られ、
初めにあった頃よりも口数が増え表情も明るくなっていた姿を見て私も少しだけ安心しました。(もちろん油断はしていませんよ!)
特急でも変わらずバイタルサイン測定を行い、なんとか何事もなく札幌駅へ到着しました。
札幌駅
札幌駅ではご家族様が手配していた介護タクシーと合流し、出発するところを見送り搬送終了となりました。
最後に
今回何事もなく札幌駅まで行けて本当に私自身も安心ました。
心理的負担にならないよう患者様と関わり静かに見守ることも看護として大切だなとこの搬送を通して改めて実感しました。
長距離搬送は病院と違い、物品等限られた中で患者様に合わせた適切な関わりをしなければなりません。
その難しさもありますが、今後も一人一人の患者様に合わせた看護を一生懸命行って参ります。