今回は与論島までお付き添いした例を紹介していきます。
事例紹介
・患者様:80代男性
・ご病気:感染性大動脈瘤後
・症状:嚥下障害、酸素低下
・医療処置:吸引、酸素、点滴
患者様は息子様の元を訪問中ご病気で倒れてしまいました。
今回容体が安定したため与論島へ帰りたいとご家族様からご相談を受け搬送するに至りました。
与論島までは直行便がないため乗り継ぎでの移動となりました。
そのため空港会社と綿密な打ち合わせ、また両方の病院とも連携をし安全に搬送しました。
入院中の病院へ
飛行機は朝の便を利用するため病院を朝早くに出発しました。
病院でご家族様と患者様と初めてお会いしたのでご挨拶し長い旅の始まりとなりました。
道中不測の事態がないように病院側と最終打ち合わせを行いました。
打ち合わせが終わったところで病院を後にしました。
途中、ご家族様がお孫さんに会わせたいとのことでご自宅に寄り面会しました。
お孫さんたちが寂しそうな顔をしていたのが印象的でした。
空港到着、機内へ
時間に余裕を持って空港に到着。必要な手続きをし空港職員の案内で機内へ入りました。
今回はストレッチャー利用のため特別ルートで飛行機内へ入りました。
リフト車へストレッチャーごと乗り込み、スクープストレッチャーへ移乗。
空港職員さんがそのまま機内へ設置されたストレッチャーまで運んでくれました。
患者様は酸素吸入と点滴をおこなっていたため、頭側で酸素ボンベを持ち酸素管理、
また足元で点滴を持ち抜去等に注意しながら4人で慎重に機内のストレッチャーまで行きました。
ストレッチャーに乗せた後、ルート管理、姿勢を整えたりと必要な処置をし飛行機が飛ぶのを待ちました。もちろん飛んでからも機内で必要な医療行為を行いました。
鹿児島空港到着
約1時間50分のフライトを経て鹿児島空港へ到着。
次のフライトまでの待機時間があまり無かったため、
入院していた病院と事前打ち合わせし、その待機時間であればリクライニング車椅子に乗っていられると
言われていたため、ここではリクライニング車椅子を使用しました。
その後は乗り継ぎのために待合室で待機しました。
1本目のフライトが少し遅れたため、待機の時間は10~15分でした。
その間も酸素・点滴管理、吸引を行いました。
患者様は朝早かったことも影響してか入眠されており状態は変わらずでした。
与論島へ向かう飛行機へ搭乗、与論島へ
待機時間を経て、再度空港職員の案内で機内へ乗り込みました。
今回はリクライニング車椅子を使用していたため、搭乗口まで車椅子で移動。
その後はスクープストレッチャーを使用し機内へ乗り、設置されたストレッチャーへ移乗しました。
1本目の機内の搭乗と同様に酸素・点滴管理しながら慎重に運びました。
そして与論島へと飛び立ちました。
与論島到着
患者様は東京にいた時にはあまり元気がなく発言も少なかったのですが、
与論島に近づくにつれて元気になり発言量も増えていきました。
与論島へ到着すると安心した顔をしており、私もほっとしました。
与論島には介護タクシーがないとのことで、今回は消防の方に協力していただき
救急車で病院へと向かいました。
病院到着
無事に病院へ到着し、医師・看護師の方に道中の様子等を引き継ぎし搬送は終了しました。
最後に
長い道のりでしたが、様々な場面でご家族様に協力していただいたおかげで
患者様の状態が変わることなく無事に辿り着くことができました。
また、空港職員の方や双方の病院の方々にもたくさん良くしていただきました。
本当に長い道のりでしたが、最後にご家族様に大変感謝していただいたこと、
患者様の安心した顔を見て搬送できて喜ばしい気持ちでいっぱいです。
患者様がご家族様やたくさんのお知り合いの近くで静養できますことを心より願っております。