患者様のご家族よりご相談いただき、娘様の住まれている東京都への搬送が決定しました。
この日は全国的に雨予報。秋田県も朝から雨が降っており、少し肌寒い朝の出発となりました。
今回は秋田駅から徒歩圏内にある、中通総合病院からスタートです。
患者様にお会いすると、これから転院をすることに驚かれた様子でしたが、今までお世話になった病院のスタッフの方々にお礼を言う姿も見られました。
大腿骨骨折後のADL低下に伴う廃用症候群により、移動に伴う急変リスクも決して低い方ではありませんでしたが、意識ははっきりとしておりお話もできるご様子に安心しました。
中通総合病院から秋田駅までは現地介護タクシー
秋田駅までは現地の介護タクシーの方にご協力いただきました。いつもお世話になっている業者の方でもあるため、秋田駅に到着してからもスムーズに進めることができました。
秋田駅では広いラウンジがあり、新幹線の到着までゆったりと待機することができました。
新幹線は秋田駅始発のため、新幹線の到着から出発までは少し時間に余裕がありました。駅員の方の案内で新幹線内にある多目的室へ。
無事に多目的室内のベッドに移乗をしたところで、秋田の介護タクシーの方とはお別れです。
今回もご協力いただきありがとうございました!
新幹線で東京駅へ
多目的室内に移動すると、出発までの時間に患者様のご希望に合わせ、安楽な姿勢が取れるよう調節をしました。
多目的室内ではバイタルサインの測定やオムツ交換等、患者様に必要なケアを行いながら過ごします。顔色や意識レベルの変化にも注意を払いました。
移動中は休まれていることが多かった患者様ですが、時々起きられると「いい旅だな」などとお話もしてくださいました。長い移動時間、少しでも旅行気分を味わっていただけたのであれば、長距離搬送を担当するスタッフとしては大変嬉しいです。
途中お付き添いの娘様も訪室され、昼食をとりながら東京駅を目指します。お食事中も「あなたもおにぎり食べなさいね」と私のことを気遣ってくださり、、お優しい患者様のお人柄に心があたたかくなりました^^
東京駅到着
私たちが新幹線で移動中、到着の30分ほど前には新幹線のホームに弊社ドライバーが待機してくれていました。
患者様が到着した際、スムーズに降車できるよう時間には余裕を持ち、準備をして待機しています。
約4時間にわたる新幹線移動の末、定刻通り東京駅に到着しました。
秋田新幹線の多目的室は、他の新幹線よりやや通路が狭いという特徴がありますが、弊社ドライバーと協力し安全に降車することができました。
PAS車両に乗り込み、目的地へ向け出発します。
PAS車両にて到着地へ
車内でも「思いがけず修学旅行の気分だった」「面白かった」等、楽しそうにお話をしてくださる姿が印象的でした。
東京駅から車で30分ほどで、目的地である施設に到着しました。
家に帰ると思っているかもしれない、、と心配されていたご家族の思いも汲み、道中での会話には気を付けてきましたが、到着した施設の綺麗さに「いい所だね」と嬉しそうな様子で私も安心しました。
最後に
今回は医療処置のない方の搬送でしたが、長時間に渡る移動ということもあり急変のリスクも想定しながらの移動となりました。
幸い道中は何事もなく、穏やかに過ごしていただけたことに安堵しています。
秋田の病院でもスタッフの方々に愛されていた患者様。これからはご家族様の近くで、新しい思い出作りをしていただけたら嬉しいです。
この度は弊社でお手伝いをさせていただきありがとうございました。