徳山〜東京 新幹線搬送

今回の患者様は70代の男性の方。

徳山出身の方ですが、今回は家族である妹さんが住んでいる側の広尾病院さんに本人さんの強い希望があって転院となりました。

周南高原病院

容態

患者様の状態としては、がんの末期の方。転移はっきりしないですが、腹水が溜まっており食事が食べれない状態でした。ADLとしては、170cmくらい、40kg程度で 手引き歩行可能。車椅子にも30分程度は乗車可能との事前情報だったのですが、、がんの方は状態が日々変化します。

実際に前日状態確認を行ってみると、意識は清明ですが足は歩けなそうなくらいにパンパン。「昨日もトイレに行っているので行こうと思えば行けますよ」と本人は言いますが、

看護師さんは「歩けるには歩けますが、食事も食べてないので貧血が心配です。大丈夫かと言われると辛いかもしれない」とのこと。

腹水は思った程多く溜まっている感じはありませんでしたが、患者様は食事をずっと食べておらず少しでも食べると嘔吐してしまう状態でした。

元々の予定としては、徳山駅のエレベーターがストレッチャーが入らないため、駅からは車椅子に乗り換えて移動する予定でした。

しかし前日状態確認にて車椅子移動等の移動方法を再検討。

徳山駅

徳山駅ではストレッチャーが入らないということは事前に確認して知っていましたし、実際に見ると改札までのエレベーターは車椅子程度しか入りません。しかし、駅のホームまではリクライニング車椅子なら入れることがわかりました。

状態確認中に明日担当して頂く介護タクシー秋桜さんに連絡。リクライニング車椅子を持っているとのことでしたので、明日はストレッチャーからフルリクライニング車椅子へ変更としました。

改札からはJRの車椅子に乗る予定でしたが、それも当日の状態を見てできる限りお手伝いしますよ。と優しい秋桜さん。

搬送当日

周南高原病院さんに朝6時20分に出発できるように、介護タクシー秋桜さんが朝5時半に私をお迎えに来てくださました。患者様を乗せていなくても丁寧な安全運転であることに感動し、6時には病院へ到着。

車両搬送 転院

到着時には前日状態確認時に伝えていたように、全てベット周囲を整えていて準備万端でした。

患者様はあまり夜は眠れなかったようですが、気分不快はないとのこと。

朝はスタッフも手薄だというのに、4人程の方がエレベーターまで見送ってくださいました。

車に乗り込んだ後は少し嘔気と唾液様のものを嘔吐したものの、バイタルサインの明らかな変化はなく徳山駅に無事到着。

改札前までのエレベーターのみ、約90度ベットアップにして改札前まで移動。

改札前でJR車椅子への乗り換え予定でしたが、前日と違いやはり患者さん本人さん自身も立てそうにない。と教えてくださいました。

介護タクシー秋桜さんもこのまま行けるならホームまで行きましょう。と言ってくださり、フルリクライニング車椅子でホームまで行くことになりました。

リクライニング車椅子 転院 新幹線搬送

ホームから新幹線多目的室には、リクライニング車椅子を90度にした状態え2名体制で移動しました。

本人さんは軽くなら立てる。とおっしゃって下さいましたが、やはりうまく立位がとれる状態ではありませんでした。

新幹線多目的室に乗車後は体を少し起こしている方がいいとのことで、私のリュックやブランケット等で体位を調節させていただいて45度程度のベットアップ状態へ。

今までは病院のエアマットに寝ていたため、新幹線多目的室のベットは少し痛みがあるようです。

新幹線搬送 多目的室

適時体位調節と下肢のマッサージをさせて頂いていると、患者様は寝息を立てて休まれている様子。

やはり時々目覚めて体の痛みを訴えることがありましたが、あっというまに東京駅に到着出来た様子。

パス救急サービス ストレッチャー

東京駅では、患者様の体を考えてストレッチャーのお迎えにして頂きました。

東京駅が終点ですので、まずは布担架を患者様の下に引かせて頂いての移動です。

停車時間に余裕もあるため、スムーズに移動してお車へ。

お車に乗り込むまでのストレッチャー移動は点字ブロック等があるためやや苦痛表情が見られましたが、嘔気等なく無事乗り込むことが出来ました。

お車に乗り込んだ後は広尾病院さんへ。

転院 車両搬送

あっという間に広尾病院さんに到着です。

広尾病院さんには入院手続きを済ませた妹さんが待っていて下さいました。

お電話でも感じていましたが、穏やかで優しい妹さん。

連絡中にも患者様を心配していることが伺えましたので、やはり一緒に移動できなかった事に対しも心配が強かった様子。

患者様も妹さんもお会いできた時に、顔を合わせて安堵した様子が伺えました。

広尾病院のスタッフさんはみなさん優しく、仕事はテキパキと行なっていました。

そして以前にも広尾病院さんには一時的に入院したことがある患者様。

なんとその時にもいたスタッフさんが担当ということで、運命的な出会いも果たすことができました。

徳山からの長距離移動お疲れ様でした。

住み慣れた地から離れることへの決断は大変だったと思いますが、妹さんのお近くで過ごす事で少しでも心配が減って気持ちを楽に過ごしていただけたら幸いです。

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