今回は東京都で療養生活を送る方を、生まれ育った徳島県にお送りする搬送のご依頼をいただき、看護師がお付き添いさせていただきました。
患者様は脳出血の後遺症による高次脳機能障害のある方で、車椅子での生活が中心となっている方でした。当日もお迎えに伺うと、ご自身の車椅子に乗った状態で出迎えてくださいました。
調布から東京駅までは少し距離がありますが、一緒に付き添ってくださっていた小さなお子様が「楽しいね」などと言ってご家族で楽しそうにお話しされており、こちらもとても和みました^^
恐れていた朝の通勤ラッシュによる交通渋滞に巻き込まれることもなく、スムーズに東京駅に到着いたしました。
東京駅に到着
当日は朝の渋滞による遅れを予測し、かなり余裕を持ってスケジュールを組ませていただいていました。そのため、スムーズに到着し新幹線に乗車するまでにもお時間がある状況でした。
患者様は長い時間、同じ場所で車椅子で過ごされることにストレスを感じてしまうのではないか・・・ということで、患者様とご家族様との相談の上、車椅子待合室を一度出て駅周辺を散歩してくることとしました。
ちょうどこの日の東京はお天気も良く、お散歩日和でした。少し長くなってしまった待機時間でしたが、気分転換になっていたら嬉しいです。
東京駅の丸の内口はいつ見ても素敵な天井に圧倒されます^^
新幹線にて新神戸駅へ
新幹線の発車時刻が迫り、駅員の案内で新幹線ホームへ向かいます。
新幹線が到着すると、あらかじめ依頼をしておいたスロープをかけていただき、車椅子のまま乗車することができました。
今回も患者様とご家族より道中は横になって移動したいとのご希望があり、多目的室を使用いたしました。
多目的室のベッドには軽く介助をすることで無事に移乗でき、定刻通りに新幹線出発となりました。
多目的室内には基本、私たち医療従事者であるスタッフが在室し容体管理をさせていただくのですが、今回は患者様の状態がかなり安定していること、急性期を抜け在宅での生活の方が長いことなどから、患者様にとってもご家族と過ごした方が精神的に安定して移動できるのではということに。ご家族様と相談し、多目的室内にはご家族にお付き添いをしていただきスタッフは多目的室のすぐ外で待機する体制を取りました。
普段とは少し異なる形での同行となりましたが、定期的に様子を観察したり、ご家族様と交代し休憩をとっていただいたり、コミュニケーションを大切にしながら関わらせていただきました。
新神戸駅到着 車両にて徳島県へ
新幹線では新神戸駅にて降車しました。
ご自身の車椅子に座っていただき改札まで降りて行くと、改札で現地の介護タクシーの方が待機しています。
新神戸駅から徳島県までは車両で移動するため、少しでも楽な姿勢で移動できるようリクライニング車椅子でお願いをしていました。お手伝いをしてリクライニング車椅子に移ると、介護タクシーに乗車しいよいよ徳島県へ向けて出発です。
車内では患者様のご希望に合わせ、車椅子の背もたれを過ごしやすい角度に調節して対応いたしました。
この日は車両での移動も長時間に渡りましたが、途中で通過する淡路島からの景色や渦潮など、ご家族も交え絶景を楽しみながらの移動となりました。
徳島県ご自宅到着
およそ2時間にわたる車両での移動の末、無事に徳島県のご自宅に到着いたしました。
ご自宅では患者様のご家族が何名も待機していてくださり、患者様の到着を心待ちにされていらっしゃるようでした。
この日の総移動時間は約7時間半と、長時間の大移動となりました。患者様、お付き添いの皆様もお疲れだったかと思いますが、無事に徳島県に到着でき安堵しました。
ご依頼者であるご家族様からありがたいお言葉も頂戴し、今回弊社でお手伝いができたこと、本当に嬉しく思っています。
長時間のご移動お疲れ様でした。貴重な経験をさせていただき心より感謝申し上げます。