今回は精神疾患をお持ちの方を栃木県のご自宅まで搬送させていただきました。
事前に多動症で家の中では動き回るが、外に出ると腰が抜けた感じで動けなくなると情報をいただいておりました。
実際お会いするとなかなか足が動かない姿があり歩行は厳しそうだったため、
車椅子での移動となりました。
身体症状
車椅子に乗車し、車へ乗り込みいざ出発。出発し走り出したら、慣れない環境と不安からか、
身体を大きく飛び跳ねさせる姿が見受けられました。
身体を飛び跳ねさせた後車椅子からずり落ちてしまいました。
10分近くで何度も何度もずり落ちる姿がありました。
ずり落ちたらその都度姿勢を直し、しっかりと落ちないように支えました。
ただ、支えても何度も何度も車椅子から落ちそうになり危険だったため、
車を路肩に停め一旦落ち着くのを待ちました。
今回は普通の車椅子ではなく、リクライニング車椅子を使用したため、
対象者様の落ち着く角度まで背もたれを倒し寝たまま行けるよう姿勢を調整しました。
また、身体が大きく飛び跳ねた際に車椅子の手すりの部分に身体をぶつけており、
怪我をする恐れがあったため掛け物でガードし身体への衝撃を和らげるよう工夫しました。
出発してしばらくするとだんだん車内の環境に慣れてきたのか身体症状も落ち着き
お話してくれるようになりました。
精神症状
本人は、迷惑かけてごめんなさい。車椅子壊れてない?など、私たちにかなり気を遣う様子が伺えました。対象者様も自分自身の身体症状と気持ちが追いついていないのかな、という印象を受けました。
身体と心のバランスが崩れていることはとても苦痛だと思い、
対象者様に寄り添い気持ちに傾聴することを心がけました。
車内では私たちのことを気にせず、好きなように動いていいことを伝え続けました。
そうすると、私たちにも慣れたのかご自身の気持ちや感じ方など
お話してくださいました。少しでも心を許してくれたのかな、と嬉しい気持ちになりました。
目的地へ
時折叫んだり、身体症状も出現しましたが後半は落ち着いて向かうことができ、
目的地へ到着しました。
自然豊かで穏やかな場所でした。
この場所でご家族様と一緒に静養できますことを心より願っております。