長崎〜茨城 認知症 飛行機搬送

長崎から茨城へ、ご搬送のお手伝いをさせていただきました。

80歳代の女性で、認知症があります。この方には特殊な症状がありました。

様々な音や、初めての人、些細な刺激に敏感に反応し、声を出したり体を硬直させて拒否反応を示すことです。

娘様も一緒に同行されますが、ご搬送中の懸念事項がいくつかありました。

・初めての看護師・新幹線や飛行機などの騒音・長時間移動の疲労

これらは患者様にとって非常にストレスになるだろうと、娘様だけでなく、病院の医師や看護師も懸念していることでした。

何度も打ち合わせを重ね、当初刺激の少なそうな新幹線で行く予定でしたが、少しお薬で落ち着かれたことと、ご搬送時間が短い方がいいということなどから、飛行機でのご搬送が決定しました。

念の為、出発前日にご挨拶をします。

搬送当日

病院の看護師や、娘様からかなり刺激に弱いと伺っていたので、かなり慎重になります。そーっと声が聞こえるくらいそばまで行き、「明日、よろしくお願いします」と遠慮がちにご挨拶します。

なるべく害がないように、大きな動きはしないようにすると、あまり反応がありませんが、拒否反応もありません!

無事前日の挨拶を終え、出発時間を迎えます。

念には念を入れ、出発の30分以上早めに病室へ向かいます。

朝食中でしたが、そっとご挨拶しても拒否反応はなさそうです。出発前にもう少し距離を詰めたいところです。

娘様が席を外されたタイミングで、お食事のお手伝いをさせて頂きます。

お手伝いも受け入れてくださり、一息ついたところでいよいよ出発です。

病棟看護師がリクライニング車椅子への移動を手伝ってくださり、難なく移動し、次は車に乗って空港です。

車内では大きな声を出すこともなく、検温もそ~っと行うことで無事クリアしていきます。

空港

時間内に空港に到着し、ここから空港の車椅子で移動します。移乗介助で体を密着させると、少しこわばる感じがありますが、大きな拒否反応はありません。

出発前に軽くおにぎりを食べて頂くと気持ちも安心したのか、微笑んでくれました

リクライニング式の車椅子で時間まで待機し飛行機に乗り込みます。

ここからが患者様、お辛かったようです。離陸してから4,50分すると、辛そうに「うーんうーん」と声を出して、娘様と私が握っていた手を振りほどくようになりました。

実は、お手洗いで思うように排泄ができず、ずっと我慢していたようでした。

機内では機内用の車椅子の手配はないため、着陸するまでお待ちいただかなければなりません。

みんなで一生懸命なだめながらようやく飛行機が羽田空港に到着しました。

ここからはお疲れもあったのか、オムツを交換しても硬直して、終始お辛い表情でした。キューっと体を締めて、お熱も計らせてもらえなくなりましたので、あとは顔色や呼吸状態で容態観察を行います。

1時間半の道のりをなんとか患者様に耐えて頂き、茨城の病院に到着です。

到着してから・・・

後半の半分、患者様やご家族にとってもご不安で、お辛い状況となってしまったこと、本当に心苦しく思っておりました。そんな時、ご家族に「後半は緊張が出てしまったけど、初対面でここまで拒否なく行けたのが本当に良かった」と、おっしゃってくださったおかげで、心が救われました。

患者様にとって、一生に一度、あるかないかの長距離移動。看護師は、一つ一つ搬送が終わるたびに、「あの介助が最善だっただろうか。こうしていたらどうだっただろうか。」と自問自答することがよくあります。

これが最善、と答えがないものもありますが、着実に一つ一つ積み上げていけるよう、努力してまいります。

このご移動は、患者様だけでなく、ご家族にとっても本当にご不安だっただろうと思います。

そんな中でお気遣いの言葉をいただきまして、本当にありがとうございました。

今後もご家族のそばで、穏やかに療養できることを心より願っております。

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